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《ネタバレ》 今回は貞子そのものを主人公に、彼女が井戸に落とされるまでが描かれた過去篇となっていて、監督も変わって今までと毛色の違う作品になっているが、おかげでホラー色が少なくてもそれほど気にならずに見れたし、どちらかといえば青春映画のような雰囲気があり「らせん」を含めたシリーズ続編ではいちばん好印象。でも、貞子が主役の青春映画として見て面白いかといえばはっきり言って微妙で、とくに前半はホラー要素がほとんどなく貞子(仲間由紀恵)が所属した劇団のメンバーの人間模様が描かれていて面白くなりそうなのにこの部分が非常に薄っぺらく、謎の死を遂げた主役女優(奥貫薫)の代役に貞子(仲間由紀恵)が抜擢されるところなどは「Wの悲劇」をなんとなく思い出すものの、ここに至ってこの部分が出来損ないの「Wの悲劇」のように思えてきて、なんか幻滅で、せっかく青年座が協力してるのに勿体なく感じる。後半はホラー要素が強くなるのだが、二人に分離した貞子とかかなり唐突で、二人の貞子は別人格と思って見ているといつの間にか劇団員たちに殺された貞子が復活してるとか(二人で一つの記憶を共有した同じ顔の存在なのかとちょっと考えてしまったじゃないか。)滅茶苦茶で破城しているとしか思えないし、そもそも冒頭から貞子が劇団内で憎まれているという設定にあまり説得力が感じられないため、この後半のホラー部分も怖さをあまり感じられないものとなっている。それに「トリック」を先に見ていると終盤に貞子が迫ってくるシーンは仲間由紀恵なんだと思いながら見てしまうと山田にしか見えずギャグのように映って脱力してしまうのも本当のところ。でも、本作がきっかけで「トリック」のオファーがあったみたいなので仲間由紀恵にとっては本作はやはりブレイクのきっかけになった作品のひとつには間違いないのだろう。時代設定は昭和43年なのだが、ちゃんと作り込まれてる感じがして良かった。シリーズは一応これで終わりなのだが、(後年貞子シリーズとして再開してる。)ここまで見てもなぜ貞子の怨念が取り付くのがビデオテープなのかは分からなかったなあ。
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 5点(2025-03-02 19:11:27)《新規》
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