トラック野郎 度胸一番星 の イニシャルK さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ト行
 > トラック野郎 度胸一番星
 > イニシャルKさんのレビュー
トラック野郎 度胸一番星 の イニシャルK さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 シリーズ第5作。相変わらず無茶苦茶なストーリーながらも、原発建設によって故郷の村を追われたジョーズ(千葉真一)があらくれ者になって仲間(ジョーズ軍団)を引き連れて帰ってくるシーンは今になって見ると考えさせられるものがあるし、桃さん(菅原文太)の故郷もダムに沈んでいることを思うとこのシリーズはただ無茶苦茶でバカな笑いだけでなくこういうシリアスな部分にも毎回ではないが触れるところにも魅力があるのだと思う。今回もいつものごとく分教場の教師であるマドンナ(この設定にどうしても「二十四の瞳」を思い浮べずにはいられない。) 水名子(片平なぎさ)に惚れ、振られてしまう桃さんだが、それは桃さんの勘違いで水名子も桃さんに魅かれていて、桃さんが水名子にプロポーズされるというのが新鮮で、5作目にしてようやく恋が実って本当に良かったねと思っていると水名子が豪雨の中、土石流に飲み込まれて命を落とすというまさかの結末があまりにも悲しくて切なくてつらい。これは失恋ではなく完全に悲恋だ。「先生、なんで死んじゃったんだよ。」という教え子たちの悲痛な言葉も胸を打つ。桃さんが今回、逮捕されてしまったジョナサン(愛川欽也)の代わりに魚をクライマックスで運ぶことになるのだが、その助手席に水名子が子供たちと学芸会のために準備した狸の焼き物を乗せているのは、一見何の意味もないように思えるのだが、桃さんがまだ水名子への思いを断ち切れていないというのが分かってまた切ない。今回ばかりは本当に桃さんに結婚してほしかった。それでも、ジョーズらトラック仲間の協力を得ながら警察の追跡をかわしつつ、ジョナサンのためにトラックを猛スピードで走らせる桃さんはやっぱりカッコよく、この悲恋もすぐに乗り越えられるだろうと思えてくる。「爆走一番星」の太宰治(「生まれてすいません」)に続いて室生犀星の「故郷は遠くにありて思うもの」という言葉が出てくるが、非常に美しい言葉だ。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 7点(2018-10-27 23:55:55)
イニシャルK さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-28劇場版 仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト5レビュー5.30点
2024-03-18決算!忠臣蔵7レビュー6.17点
2024-03-10花よりもなほ5レビュー5.71点
2024-03-03小早川家の秋8レビュー7.10点
2024-02-18秋日和8レビュー7.34点
2024-01-28竜とそばかすの姫5レビュー5.30点
2023-12-07GHOSTBOOK おばけずかん6レビュー6.40点
2023-11-26BALLAD 名もなき恋のうた5レビュー5.23点
2023-10-28特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション5レビュー5.00点
2023-09-14リトル・マーメイド(1989)6レビュー6.78点
トラック野郎 度胸一番星のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS