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《ネタバレ》 西部劇の邦題のようなタイトルだが日本映画である。戦時中の野戦病院で患者に梅毒をうつされた若き医者を描いた黒澤明監督の初期作。冒頭の大雨の降らせ方や野戦病院の暑苦しい雰囲気などはいかにも黒澤監督らしい描写で、主人公の医者を演じる三船の「赤ひげ」とは違う渋みがかっていない若さや「酔いどれ天使」に続いて医者を演じる父親役の志村喬の味わいのある演技も良かった。が、三条美紀演じる主人公の婚約者が何も知らされないまま別れてしまうのはちょっとかわいそうすぎる気がする。黒澤監督は基本的に男性的な作風の監督であるが、女性の心情とかそういうものを描くのは苦手なことがはっきり分かってしまった感じがして、ここはもう少し女性の心理描写のうまい監督だったらとつい考えてしまった。でも、昔は黒澤作品大好きだっただけにやっぱりこれは自分の映画の好みの変化によって思うことかもしれない。ただ峯岸看護婦役の千石規子はすごく良かったので彼女に1点プラスの6点。
【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-21 23:42:38)
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