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《ネタバレ》 戦前の坂東妻三郎主演のサイレント時代劇「雄呂血」を市川雷蔵主演でリメイクした大映時代劇。オリジナルも見ているが、5、6年前に一回見ただけなので肝心のストーリーをすっかり覚えていなかった。そのため、オリジナルのことはあまり考えず見ていたのだが、リメイクと考えなくても一本の娯楽時代劇としてじゅうぶん面白い映画に仕上がっているし、ドラマとしてもなかなか見ごたえのあるものになっていて面白かった。雷蔵もニヒルでかっこよく、クールでバンツマの演じた主人公とは少し印象が違うが、これはやはり雷蔵ならではのものだろう。クライマックス、オリジナルではバンツマはもっとコミカルな動きをしている感じだったが、本作はあくまでこのクライマックスの殺陣はリアリズムを意識しているようで、「大殺陣」とタイトルにあるように、雷蔵ひとりで何百人はいようかという敵と大チャンバラを繰り広げる様は圧巻で迫力充分。「十三人の刺客」などの集団抗争時代劇が流行っていた時代に作られたことがおそらく影響してるんだと思うが、それにしてもたった一人でこれだけの数と戦うというのは凄すぎる。一体、何人相手にして何人斬ったのだろうと本気で思えてしまうほどの凄さを感じずにはいられない。はっきりいってこのクライマックスはオリジナルを超えているのではと思うほど凄い。ここだけでも見る価値はじゅうぶんあると思う。そうそう、雷蔵の相手役と言えば藤村志保が多いという印象が強く、実際に本作にも藤村志保は出ているが、この映画のヒロイン役は八千草薫。この女優を大映時代劇で見るのは珍しい気がするし、ましてや雷蔵とのコンビというのもほかではなかなか見られない組み合わせで新鮮に感じられる。
【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-08-20 20:52:23)
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