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《ネタバレ》 DVDに収録されているインタビューで、ジュリー役のミシェル・ウィリアムズがこんなことを言っていたと思う。
「主要人物の誰が欠けても成立しない、奇跡の脚本」 どこがどう奇跡なんだぁ?と思いつつ、2回目の視聴をする私。そして気がついた。 たしかにスゴイことしてるかも。こりゃ~かなり練りこまれた脚本だ。 気になってネットで「16歳の合衆国」の批評を読み漁る。 あれれ?誰もこの脚本の凄さに気づいていない? ガールフレンドの弟を殺した主人公。何故?なぜ?みんなが理由を欲しがる。 しかしリーランドは言う「理由なんてない」。 現代の若者は不可解だ、と大人たちは眉をひそめる。 これは大きな社会問題だ!と騒いで、事件についていろんな分析を当て込もうとする。 「理由がみつかれば、きつく縛って庭に埋めることもできる」 リーランドは事件についてノートに書き綴る。「この中に理由があるかもしれない」と。 私たちは「リーランドの合衆国」を読んで、理由を考える。 こうなんじゃないか、ああなんじゃないか・・・ しかしリーランドは肝心なことは何も書いていない。 私たちに「さがしてみて」と投げただけだ。 動機はあやふやだし、犯行時の記憶もない。なのに「僕がやった」ということだけは、はっきり主張する。 例えばこれが”火曜サスペンス劇場”や”はぐれ刑事純情派”だったら、「こいつ、誰かを庇ってるな?」とバレバレだ。 この本来ならバレバレであるはずの筋書きも、色眼鏡をかけたまま見ると気がつかないのである。 色眼鏡の正体は、「現代の若者は不可解だ」という偏見・先入観である。 【337】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-19 01:25:18)(良:1票)
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