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《ネタバレ》 ケビンスペイシー扮する主人公が娘の友人でマスをかくってのに嫌悪感を抱く方が多いだろうが、何のことはない、誰だって、恋人や妻が居ても、環境を変えたい衝動がある。
それを極端に書いているだけで、だからわかりやすく、笑えるところもあるし、飽きさせない。 実際、 娘の友人に恋というのも、ただのきっかけだろう。それと解雇の問題などが重なって、もう限界!たががはずれてしまったと。それを証拠に、友人のアバズレ気取りがラスト近くまで、それほど話の中心に絡んでこない。やはり、親子三人、家庭の話であると思う。 個人主義と家庭生活は相反する。社会的人間と自由奔放に生きることは両立できない。だから、会社はもちろん、家庭という社会の単位で建前ばかりで生きている。そのぎくしゃくした関係を、少年のカメラは隣家の窓から第三者の目で克明に映し出す。 (彼女だけを取っていたわけではなく、それがあとで災いになるのだが) 母が父親をたてずまとまりのない家庭と、父親が支配する形だけの家庭。 どちらの夫婦も、子供への希望で何とか存続 しているが、子供は家庭を愛してはいない。 子供を作ることが出来ないゲイカップルが一番幸せ、というのは皮肉な話だ。 このスペイシーの家で起こったトラブルに、結末を用意するのはその家庭の人間ではない。 でもこれは救い?逃げ?どっちだろうね。 それにしても、家庭や会社ですらコントロールできないのに、戦争になると一致団結の度合いが強いアメリカ人は不思議だ。いや、逆か。だからこそ、外に国民共通の敵・目標を作らないと存続し得ないという事か。 【笹】さん 8点(2003-12-05 15:21:01)(良:1票)
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