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村人に騙されて殺された夏八木さんのメイクを見た瞬間、台無し…と思ったのだが、飛行機がお空を飛ぶ時代に、数百年前の怨念話を信じ、農機具片手にタツオを始末してしまえ~と暴れる村人たちの姿を見せつけられると、この村は異時空間の世界であり、タツオも金田一も、別世界に足を踏み入れたってことかも、と思え、メイクも、あの世界ならアリだわね、と思えた。
渥美清さんバージョンの金田一はどうなのか。…この作品での金田一は、ただの語り部だったじゃ~んと思ったし、物足りない気もしたのだが、フケだらけの頭髪を掻き毟るしぐさや、また殺されてるぅ~の場面で「えええっ!!!」と慌てふためく場面、ラストでの美しい女性との別れ、警部とのやり取り等々のお決まりのシーンが無かったのは、かえって新鮮だった。他の作品同様、事件の謎解きだけが金田一のお仕事である。殺人を防ぐことは無い。情報を収集・整理して、事件の本質を探り出し、登場人物と観客にそれを説明するだけだ。となると、この作品の金田一は、本分を遂げていると思う。お決まりのシーンが無い方が、すっきりしていていいとさえ思った。タツオが必死に逃げている時に、洞窟前でのんびりと解説してる場合じゃないだろ、と思ったが、ラストシーンで、タツオの実の父親の生誕地に関する話が出てきたわけで…「タツオを見殺しにする気か~!!!」と怒り心頭してしまった人たちは、そこを見逃しちゃうかも。なぜ、タツオがミヤコから逃げおおせたのか…この部分は、怨念に血塗られた物語の中の、一筋の光明かもしれないのに。その部分を見逃す可能性があるというのは、非常に残念。ラストシーンって、本当に大事だね。 【日雀】さん 7点(2004-06-14 09:22:48)
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