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《ネタバレ》 ガス・ヴァン・サントの描くミルク像は、国中の人の意識に波を起こす活動をしながらも、成り行きからぼちぼち…という感じのごく普通の男だった。当然後半は政治的な顔もちらつかせていたけれど、人懐こくよく喋るニコニコ顔は政治家というよりは「みんなの人気者」だった。そしてオペラを口ずさむときの物憂げな表情も持ち合わせていた。ずっと彼のサポート役として心も支えたスコットやガラスのようなジャックの姿、最終的にはミルクに銃弾を浴びせたホワイトの迷いや焦燥の様子など、主人公も含めて「人」の捉え方が力強くもあり、なんとなく寂しい感じもした。公民権運動や暗殺事件よりも、人間そのものに迫りなおペールブルーな印象を映画全体に感じさせるのは、やっぱり監督の持ち味なんだろうか。
【のはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-11-11 18:39:03)
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