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レビュー情報
さまざまなメディアで「児童虐待」が話題になってから何年くらい経つだろう。ただ、表面化してきたのが最近というだけで、根深く暗い理由のもと、昔から連鎖的に繰り返されてきたことなのだろう。うるさいメディアの声で臆病になり、ビデオ化されたこの作品をいち早くレンタルした時、私は妊娠5ヶ月だった。自分でもちょっと冒険だと思った。戦中戦後の嵐のような時代を潜り抜け、心から愛する男との間にもうけた子供を猛烈なやり方で虐待する母の姿は、憎らしく、痛ましくもあった。彼女が暴力を振るう理由が知りたくて、暴力シーンも我慢しようと最初に誓ったが、物語に惹きつけるものがあり逆に止められなくなってしまった。理由についてははっきりとはわからなかったが、ラストのバスのシーンはそれまで我慢して暴力シーンを見てきた後のご褒美のようだった。虐待を繰り返さなかった主人公に、すっきりと賢く育った娘が言うセリフがすべてを救った。あの時期に見てよかったと思う(人には勧めないが・・・)。そして、二役を演じた原田美枝子が数々の賞を受賞したのも納得がいく。すばらしい力作です。
【のはら】さん 9点(2004-01-06 00:13:24)(良:1票)
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