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《ネタバレ》 小津の戦後の他作品だと「お早よう」に通じる、何の気負いも主義主張も見当たらない、素直に楽しめるユーモラスな作品。面白かった。戦前からの小津作品の常連、飯田蝶子の顔面演技がとにかく秀逸。この作品を最後に彼女の小津作品への出演が途絶えたのが不思議でなりません。「晩春」以降、敷居が高くなったブルジョアハイソ家庭の揉め事ストーリーには、彼女みたいな庶民的キャラはお呼びでなくなったという事か。なんか、淋しいなあ・・・。彼女のキャラクターを引き継いだのが、杉村春子という流れになるのかな。うら若き笠智衆の「のぞきからくり」?口上独演珍芸は、後の「彼岸花」での長い長ーい詩吟シーンを思い出しました。脇役で起用する時でもこんな風に見せ場をこしらえてあげて、小津監督の笠さんへの愛情が伝わってきました。
【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 8点(2025-04-09 22:50:23)《更新》
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