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ファシズムの恐ろしさを誰よりも知り、嫌というほど味わったポール・ヴァーホーヴェンが放つ問題作。あえてハインラインの原作を用い、わかりやすい勧善懲悪と理屈抜きの不毛なぶっ殺しあいを見せ、その是非を観客に託す。そして誤解や見当違いな指摘をも、確信犯的な笑みをうかべつつ楽しんでいるのだろう。なんて痛快な人だ。このテーマに説得力をもたせるためにも、当時としては考えられないほどの視覚効果を使い、映像を際立たせた。画面の外にまで血が飛んできそうな暴力描写に、観客はハッとさせられ、戦争で死ぬ兵士達の痛みを痛感する(まあ、半分は監督のシュミであろうが)。もちろん、本作を「半ソデの歩兵たちが巨大昆虫と熱血の白兵戦を繰り広げるバカSF戦争」としても十分楽しめる。楽しみ方は自由だが、これほど観客の真価が問われる映画もないのではないだろうか。
【はたらきばち】さん 8点(2004-01-20 17:31:55)(良:2票)
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