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序盤から漠然と芽生えるイヤな予感がそのまま的中してしまう、哀しくて鬱な映画だった。しかしこの映画の背景にあるのは、現実の辛さから逃れるためにアルコールに逃げる横暴な中年男と、夫を亡くした寂しさからそのチンピラにひっかかり、依存するダメ未亡人。自分が生きるため、親のために我慢せざるを得ない不幸な優しい子供。現在の日本でも続出している児童虐待のメカニズムが鋭くえぐり出されている。カールの行動は純粋すぎるがゆえの極端なものではあるけれど、「ダメなやつは絶対に変わらない」という厳しい見方の現れであり、かなりの確率で正しいと思った。置かれた立場に合わせて器用に人格を変えられる人間などこの世に存在しないのだから。
【ラーション】さん 10点(2004-06-14 13:26:46)
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