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《ネタバレ》 市のライバル成田三樹夫氏がえらくカッコイイ!プライドのありかが将棋と剣の勝負のみに集中しきっている浪人。剣豪が日銭を稼ぐのに自分を打たせる大道芸なんかしているのがいい。そのことが彼のニヒルな人間性をさらっと表現していて上手い。物語り的にも市との脳内将棋バトルが要所要所に挟まれていて、二人の関係の深まり具合を示す良いアクセントになっている。仲良く遊んでいたのに結局対決することになる動機が判然としないが、成田氏の佇まいと行動を見るとくだくだした理屈は不要と感じてしまう。そういう狂犬のような人同士なのだな、と。三度目の対局で、徐々に将棋を指すテンポが上がっていき、一気に斬り合いになだれ込むくだりのカタルシスが気持ちいい!このクライマックスは同年発表の博打映画の傑作「シンシナティ・キッド」とそっくりなテンポと目のアップだが影響をうけているのだろうか。それにしても三隅監督は行間で語るのが本当に上手い。
【皮マン】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-11-04 09:16:23)
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