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《ネタバレ》 円盤はいつもヌッと現れる。はるか彼方からやってくるのではなく、気が付いたときにはすぐ背後に迫っていて犬のようにまとわりつくのだ。小型の探査機も装備しているというのになんでそんなに近寄ってくるのか。この時代の侵略モノには共産主義者に対する漠然とした不安がその心理的背景あるというのはよく語られる視点だ。同年にはドン・シーゲル版[ボディ・スナッチャー]も公開されている。その文脈でいうと“アカはあなたのすぐそばにいるかもしれません”ということを直接的に表現したようにも見える。まぁ単に監督及びハリーハウゼンの空間把握がヘタクソなだけなのかもしれないが、円盤がまるごと近寄ってくるのはいくらなんでもリアリティを損なうこと甚だしい。いつも地上すれすれを飛ぶのは、地球製即席音波砲に打ち落とされなくては噺が終わらないという都合もあるのだろうが・・。しかしこの作品の魅力は“眼前の円盤”という扇情的な絵そのものにある。よっていいかげんさのみを問題にして斬り捨てるわけにもいかないのがやっかいなところだ。かように思いは多少乱れるのだが、それとは別にどうしても許せない点があった。エピローグは主人公の科学者が“軍に協力”し宇宙人を撃退した功績により表彰されるということを知らされにんまりして終わるのだ。ビーチで美人の女房と“これからお楽しみ”でエンドマークなのだ。宇宙の秘密の解明にはなーんの興味もないのだ。ヤツは名誉と女にしか感心がないのだ(私と同じだ)。アカの暗喩だろうがなんだろうが脚本にもうちょっとばかし深みがあっても誰も困らないと思うんだがね!
【皮マン】さん 4点(2005-03-16 17:50:14)(良:1票)
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