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《ネタバレ》 観た後は誰でもハッピーになれる映画ではないだろうか。こういう映画はセンスが違うとまったく理解ができないからあまり期待はしなかったけど、見事にハマれて良かった。
低予算であっても、キャラクターやセリフ、構成、アイディアで勝負した、かなり切れ味がある新しいタイプの映画と感じた。序盤はエピソードのぶつ切りではっきりしたストーリーはないけど、各エピソードはそれなりに他のエピソードにも繋がるし、映画としても意外とちゃんとした構成となっている。 なんと言っても、ナポレオンとペドロの「友情」がよい味を醸し出しているのが本作の魅力のひとつだ。彼らの友情は普通の映画で描かれる「熱い」友情ではなく、表面的には「こいつら本当に友達か?」っていう感じの繋がりしか感じられないのが逆によい。しかし、二人は心の底から信頼しきっている感じが随所に現れている。ペドロが休んだときに電話を掛けるのもナポレオン流に心配している証であり、ナポレオンのダンスパートナーが消えたときにデビーと踊れと言ってくれるペドロはナポレオンを気遣っていることが窺われる(おそらくナポレオンが潜在的にデビーが好きだと気付いているのだろう)。 自分には取り柄がないと嘆くナポレオンに対して「画が上手い」と誉めるペドロの姿もさりげない会話だが彼らの関係をよく表している。 また、「最後は「夢は叶う」で締めろ」とナポレオンに言われればペドロはそのように従うし、ペドロのピンチの時には恥もかなぐり捨てて、捨て身のダンスを披露する。 逆に、デビーに嫌われたとペドロに相談したときには、「贈り物をしろ」という短いペドロのアドバイスに従い、デビーに唯一の所持品の魚をプレゼントする(DVDの未公開編に釣りのシーンがあったがその流れか)。おかげでナポレオンとデビーは再び仲直りできたようだ。このように、感情的ではないけれども、二人の友情は堅く結ばれているのが分かる仕組みとなっているのは面白い。 デビーとナポレオンの最後の遊戯シーンも素晴らしかった。もし、この二人のキスシーンで終わるとすればやや興ざめするだろう。ナポレオンの第一歩としては、二人だけで戯れるくらいがちょうどよい。最後には、ナポレオン一人でボールを叩き始めるのも、なんとなくナポレオンらしさや照れみたいなものも感じられる。 ところで、ナポレオンってオタクというより邪気眼系だよね。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-11-13 23:48:10)(良:2票)
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