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《ネタバレ》 ラスト1分間だけは面白いが、残りの2時間余りは面白くもつまらなくもない可も不可もない映画。一言でいえば、冒険映画だけれども全く冒険しない無難な仕上りとなっている(既存の映画のごった煮的な作り)。
問題はディズニーとかブラッカイマーではなく、監督のゴアヴァービンスキーでしょう。彼の作品は何本か観たけどリズムやテンポが致命的に悪すぎるし、盛り上げ方や緊張感の出し方など全く考えていないような気もしてしまう。まだ、マイケルベイの方が数倍マシではないか。いいドル箱シリーズだけに他の監督の演出だったら、もっといい作品になっただろうと悔やまれてしかたない。 監督の演出だけが悪いとは言えないにしても、今回は悪役も含めてそれぞれのキャラクターが全く輝きを欠いている。ジャックスパロウも今回も頑張っていたけど、前回よりもやや存在感を欠いた印象。前回のようなサプライズアカデミーノミネートは今回はないだろう。 ウィルターナーは今回は主役ともいっていいはずなのに、ビックリするくらい全く存在感が感じられない。むしろノリントンの方が存在感あったような気がした。 エリザベスは今回最重要の役柄だったけど、あまり苦悩というか、行動の理由付けが感じられなかった。伏線は張ってあるので脚本は問題ないはず。 <ネタバレ注意>演出の何が問題なのか具体例をあげると、ターナー親子がデイビージョーンズと賭けをする際のやり取りなどは、自分の命を賭けているのだから最大に盛りあがってしかるべきである。しかし、緊張感も感じられず、「この三人さっきから何やってんだ」っていう風にしか自分には見えなかった。ただ単に鍵の在りかを探るだけにせよ、その後も鍵の強奪も簡単に事が運びすぎる。「これで観客がドキドキするだろうか」と観客を意識して本気で創っているのかと疑いたくなる。ただ単に脚本をスケジュール通りに撮っているだけじゃないか。 また、最大のラストのエリザベスとジャックスパロウのやり取りも淡々としすぎている。これはキーラの演技もやや足りないと感じたが、あまり観客に訴えてくるものがなさすぎる。あのシーンには色々な感情(キーラのジャックとウィル両者への想いなど)が混ざり合ってしかるべきだ。 脚本の問題としては、宝箱の中身は大した事ないけどラストまで明かすべきではなかっただろう。途中で明かさなければ、観客の緊張感がちょっとは違ってくるはず。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 4点(2006-07-16 16:39:50)(良:3票)
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