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《ネタバレ》 映画を観終わって、これほど清々しい気分になったことはあっただろうかと思ったほど、素晴らしい映画だった。
今までのピクサー映画の印象は悪くはないけど、個人的にそれほどハマッてはなかった。今回も正直言って全く期待しておらず、クルマは所有しているものの、クルマやF1などにはほとんど興味がないという状態。 それにも関わらず、なぜこれほど感動できたかを考えると、マックイーンは自分に似ているからなのだろうと思う。マックイーンは勝つことだけを考えて周りを信用することなく、なんども一人で自分の力を信じて、自分の能力だけで済まそうとしている。 自分も日々の仕事を終電がなくなるまでガムシャラに頑張るものの、あまり他人を信用することなく、協力して仕事をするのではなく、自分の力だけで仕事をこなしていたように思える。ちょうど最近自分の仕事に対する姿勢に疑問を抱き、仕事に対する情熱に陰りを見せ始めていたところだった。 それがこの映画をみて何か変わったように感じた。特に、他のレビュワーには不評の途中の中だるみのシーンを観て、自分の中で何か変わったように思えた。見方によってはなんということもないシーンなのかもしれないが、大した事のないエピソードの積み重ね、美しい風景によって、心が徐々に洗われる感触を覚えた。とげとげしかった心が徐々に丸くなっていく感覚、まさにこれこそ心の洗濯なんだろうなと感じた。 そして主人公とともに気づいていく。自分一人で生きているのではない。周りの人に助けられ、または助けながら、共に生きているということを。 ラストのマックイーンの行為には涙なしには見れない。勝負に勝つことも大事かもしれないけど、それ以上に大事なことがある。卑怯なことをしてただのカップを得ることよりも、あの行為は、共に戦かったライバルを敬い、彼の家族を救い、そして過去にとらわれていたドックハドソンをも救うことができる行為である。 この映画は、子ども達が観ても楽しめる映画であるが、もっと大人の人達にも観てもらいたい。失った何かをきっと発見できるのではないか。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-07-10 22:02:26)
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