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《ネタバレ》 “戦う”ことの意義を問うた作品に仕上がった。“戦う”ことに対して悩み続け、そして逃げ続けても決して“答え”は出ない。“戦う”ことに真正面から向かい合ってこそ、何かしらの“答え”が出るのではないか。故郷の地に戻ることができたのも、彼なりの“答え”が出たことの証だろう。
武装船を燃やすことによって“戦い”から逃げたいというランボーの心境を表すとともに、過去のシリーズをフラッシュバックさせることでランボーの傷が癒えていない事をアピールしている。そして、最後まで戦い続けた結果、人々に笑顔が戻ったことで、ランボーなりの“答え”が出たことを観客に伝えている。何も考えていない銃乱射のグロアクション映画ではなく、押さえるべき点をきちんと押さえているので好感が持てる仕上がりとなっている。 「ロッキー」シリーズもそうだが、「ランボー」シリーズも等身大のスタローンが反映されている。“戦う”ことから逃げてきたランボーは、「ロッキー」や「ランボー」の栄光から逃げてきたスタローンに似ている。演技派と認めてもらおうとイメージをいくら変えようとしても、結局は自分を偽ることにしかならない。 徹底的にハードなアクションにこだわった理由としては、「自分にはこれしか出来ない」という潔さを感じ取って欲しかったからではないか。この映画からは、“偽り”は感じられなかった。 スタローンという役者は実は凄い役者ではないかと感じた。 スタローンは決してジョニー・デップやトム・クルーズのようにはなれない。 しかし、ジョニー・デップらの名優が伝えることができないことをスタローンは我々に伝えてくれるのではないか。不器用(本来は監督・脚本・演技ができるので不器用ということはないが)で、才能がなくても、自分が出来ることを愚直なほどに真っ直ぐに貫けば、きっといつか輝けることができるはずだと教えてくれている気がする。誰かの真似をする必要もなく、自分自身を偽って背伸びをする必要はない。たとえ、誰もが認めてくれなくても、自分自身が最後には納得できるはずだと教えてくれている。これらのことが「ムダに死ぬか、何かのために生きるか」というセリフに凝縮されている。 スタローンの生き様には一目置きたい。本作はただのハードでグロいアクションばかりではなく、生き様、哲学、人生を語っている作品でもある。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-06-03 23:44:55)(良:3票)
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