シャネル&ストラヴィンスキー の 六本木ソルジャー さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > シャネル&ストラヴィンスキー
 > 六本木ソルジャーさんのレビュー
シャネル&ストラヴィンスキー の 六本木ソルジャー さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 シャネル&ストラヴィンスキー
製作国
上映時間119分
劇場公開日 2010-01-16
ジャンルドラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 他のシャネル作品が微妙なデキだったが、いい意味での裏切りを味わうことができる。3本の中では文句なしに自分の好みであり、かなり気に入った。シャネル及びストラヴィンスキーを描くのにふさわしいセンスの良い作品に仕上がっている。ファッションセンスは抜群であり、構図はまるで絵画を切り取ったようだ。カメラワークもかなり凝っており、その動きを追って、撮影方法を想像するだけでも満足できる。他の2作とは異なり、伝記的な要素はかなり省かれている。伝記的なものを期待していると肩透かしを食らうが、そういった視点から描かないことで、シャネル及びストラヴィンスキーという存在をほとんど知らなくても楽しめる作品となっている(ストラヴィンスキーについては彼の名前と代表作の名前しか知らなかった)。シャネル及びストラヴィンスキーという過去の偉人というよりも、一組の男女という捉え方を外していない。彼らは紛れもない芸術家であるが、そういった捉え方をすることで、現代に生きる我々も近くに感じやすく、共感しやすくなっている。自分の気持ちに真っ直ぐで正直でありながら、正直にもなれないところもあるシャネル、人間としての弱さもあり、強さもあるシャネルをより身近に感じられるのではないか。伝記的な要素は少ないながらも、エルネスト・ボーによる「CHANEL N°5」の完成、「春の祭典」の初演時の喧騒など要所はきちんと押さえられているところも好印象。シャネル及びストラヴィンスキーの罵り合い一つとってもセンスが良い。映画らしく激しく罵り合うのではなくて、分別のある大人の男女らしく静かにかつ心にグサリと刺さるように罵り合っているところをとっても、この作品の素晴らしさを感じることができる。芸術家としてダメになりそうなストラヴィンスキーをあえて突き放すことで創作意欲に向かわせるというシャネルならではのやり取りも彼女らしく面白いところだ。ストーリーらしいストーリーがなく、説明もカットされており、ハリウッド映画のように人物の内面には単純には切り込めないので、鑑賞するには難しいところもあるが、見る人によってはかなり評価を高くできる作品に仕上がっていると思う。“黒い服から白い服を着る”“音楽が情熱的なものへと変わる”それだけでも彼らの心情が雄弁に説明されている。終盤間際に一瞬方向性を失ったかのようなところもあるが、その辺りには触れないでおこう。
六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 8点(2010-05-22 23:40:52)(良:1票)
六本木ソルジャー さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2011-05-14ブルーバレンタイン8レビュー6.87点
2011-05-09アンノウン(2011)6レビュー5.78点
2011-05-03塔の上のラプンツェル7レビュー7.50点
2011-05-03SOMEWHERE7レビュー6.69点
2011-05-03ブンミおじさんの森4レビュー5.07点
2011-04-23デュエリスト/決闘者8レビュー6.83点
2011-04-23戦場にかける橋6レビュー7.20点
2011-04-23勇気ある追跡6レビュー6.08点
2011-04-23エンジェル ウォーズ6レビュー5.70点
2011-04-23イリュージョニスト(2010)7レビュー6.92点
シャネル&ストラヴィンスキーのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS