ジャンヌ・ダルク(1999) の 六本木ソルジャー さんのクチコミ・感想

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ジャンヌ・ダルク(1999) の 六本木ソルジャー さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ジャンヌ・ダルク(1999)
製作国,
上映時間157分
劇場公開日 1999-12-11
ジャンルアクション,ドラマ,戦争もの,歴史もの,伝記もの
レビュー情報
《ネタバレ》 ジャンヌの描き方がなかなか奇抜ではないだろうか。制作者サイドが込めたものとは違う見方かもしれないけど、この映画のジャンヌは「神の贈り物」でも「神の声を聞く使者」でもなくただの「狂信者」として描かれている点が特筆すべき点だろう。信心深い一人の少女が、姉の死を目の当たりにしたために、潜在的にイギリス軍を目の敵にしていったことから、自分の「声」を「神の声」と勘違いしていったのではないか(ダスティンホフマンがミラに対し「見たかった事を見た」に過ぎないといっている)。その役どころを知ってか、知らずか、その狂信ぷりを見事にミラジョボビッチが演じきっている。
また、捕虜になった後のダスティンホフマンとのやり取りも見事だ(ダスティンホフマンが「ジャンヌダルクの良心」という設定はよく分からないので、彼の役どころをそれこそ「神」という設定に置き換えてみている)。
ホフマンとのやり取りの中でジャンヌのことを「利己的」で「無慈悲」と言いきっている点が面白い。「利己的」とは、まさに「神の声」を聞いたと勘違いし、なにもかも自分のよい方向に解釈している点にある(まさに大地にある剣を神から貰ったと解釈している点など)。「無慈悲」とは、その「神の声」を良いように解釈し、無意識のうちに自分の姉の復讐をするために、多くの人たちの血を流させている点にある。オルレアンを奪回し、特段もう戦う理由もないのに、パリへ戦禍を拡大している点も挙げられる。
さらに、自分のために他の兵士は剣を振るって戦っているのに、自分は殺したくないと旗をもち、捕虜を指輪で買収するに至っては、「利己的」かつ「無慈悲」といわずなんと言おうか。
しかし、このような「利己的」で「無慈悲」であるジャンヌに対し、「神(ホフマン)」は、本当の信仰心を試し、罪を認めさせることによって、ジャンヌの罪を赦し、魂を救うというラストを与えている。このシナリオには驚いた。かなり斬新かつ素晴らしいといえるのではないか。
逆に勿体無いのが戦闘シーンである。当時の戦闘が稚拙であったことをわざと描いているのかもしれないけど、あの程度の城攻めなどは手ぬるすぎる。戦闘シーンなどがより迫力あるものとして描ければ、本作がレオン等と並び傑作の仲間入りできた可能性もある。ただたんに首や手や足をふっとばして残虐シーンを描けばよいというものではないのは言うまでもない。
六本木ソルジャーさん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-02 21:08:51)(良:1票)
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