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レビュー情報
傑作の多いアレン監督作品の中でも特に抜群に素晴らしい作品。
素晴らしいアイディアと巧妙な映像と映像に合った音楽の三点が素晴らしいハーモニーを奏でている。 カメレオンマンことゼリグの人生と彼への治療を通してユードラとの交流、彼に関わった人のインタヴューをユーモアたっぷりにドキュメントスタイルで描きながらも、その奥には人間の誰もが抱える悩みとファシズムの脅威と人間の愛が描かれている。 「人に好かれるためには皆と同じでなければならない。人に嫌われたくない。孤立が怖い。」というのは社会に生きている以上、誰でもが抱える回避できない悩みなのかもしれない。 しかし、自己主張がなされず、没個性の社会であれば、ファシズムという大きな波に飲みこまれた場合、対抗する手段を持ち得なくなるのではないかという危険性を描いていると思う。 自己主張の大切さを描きつつも、その中でも自説を曲げない頑固さは問題だろうと描いているし、たとえ個性が低俗であったとしても、それであっても一つの個性ではないかと描かれている気がする。 欲を言えば、ドイツからユードラがゼリグを救うシーンやゼリグのドイツから飛行機での脱出シーンやその後の二人などがさらりと描きすぎているとは思うが、予算的なところがあるのだろうな。 映画の中の映画である「チェンジングマン」のミアファロー役がとんでもない美人なのが結構ツボに嵌まる。 【六本木ソルジャー】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2005-04-04 01:00:52)
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