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オスカー授賞式以後、本人(画面を観て二人ともしばらく固まり、リモコンを何故か放り投げる)や周囲の反応、カセットテープのネタに対してメチャクチャ笑わせてもらって、結構センスがあるかなと思ったけど、本人のカミングアウト以降は全く別の映画になってしまった感じで何も笑えんかった。
普通にノーマルの男がゲイと間違われて、最愛の人との結婚式をどうやって乗りきるかといったドタバタをやるようなコメディとは一線を画す結果になったことをどう評価するか。 感動モノにしたいのなら、やはりラストでディロンなり、生徒なり、両親なりを上手く活かせないとダメだったと思う。 ディロンにはあのオスカー授賞式で述べた真意でも語ってもらわないと、ディロンの存在自体が無意味となり、ただのどうしようもない役者としか映らない。 全員がゲイを告白して、貰えなかった最優秀教師賞の代わりにオスカーを先生に渡すだけでは、それでは果たしてプロと言えるのかと、首を傾げたい脚本・演出としか言いようがない。 結局この映画で何が言いたかったいうと、「ゲイはちゃんと告白しましょう」「周囲の人はゲイをちゃんと認めてあげましょう」「女性はあまり痩せ過ぎないようにしないとね」「皆、自分らしく生きましょう」というどうしようもないメッセージしか伝わらなかった。 たいていの人は皆、秘密と嘘を抱えながら生きている。 果たして嘘を抱えながら生きることが自分の本当の人生と言えるのかどうかを問う作品にして欲しかった。 主人公が「人生を返せ!」と叫ぶシーンがあったが、返して欲しいのは偽りの人生か、それとも新しい未来なのかを観客に考えさせるようには創れなかったのかねえ。 女優の「バーブラストライサンド」や映画の「ファニーガール」ネタについては自分の勉強不足からかよく分からんかったのがちょっと悔やまれる。 【六本木ソルジャー】さん 5点(2005-02-13 18:53:35)
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