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冒頭のいかにも人生の転落を歩んだ感じのスリから始まり、彼女がどのように絶頂期から落ちていったか、という展開になるのではなく、彼女のむなしく終わった不倫の恋が物語の全てでした。二人のラブシーンはたしかに洗練されていますが・・・、不倫の恋に自己嫌悪の気持ちを微塵も抱かず、むしろ堂々としているビビアン・リー特有の身勝手なキャラがどうしても気に入らず、前半部から早くも食傷気味でした(二人の美を理由に高評価をつける人も多いので私も主観的に評価をつけさせていただきます)。彼女のせいで夫に「愛のない」なんて突っぱねたところで逆に夫に同情してしまいます。「あなたのいるときはすばらしかった」なんてロマンチックなセリフもむしろうっとうしいわけで、やや控えめなオリビエのお影で何とか見ていられました(死の直前に有名な「私は使命を果たした」と名言を言うシーンも印象的です)。結局、ラストで彼女が没落して言ったのはネルソンを失ったから、と知ったときには冒頭での興味関心はすっかりなくなってしまっていました。もともと、世界史でネルソン将軍が死の直前まで気にしていたハミルトン婦人って一体どんな人だったのだろう、と思っていたのですが、そういった面でもとんでもない肩透かしを食らってしまった映画となりました。
【マイカルシネマ】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2004-11-13 22:13:51)
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