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アフリカ訛りの英語を見事にマスターしたディカプリオ、瞬間的に見せる美しさが光るジェニファー・コネリー、そして家族想いの父親を演じたジャイモン・フンスーの主演3人は見事で、長尺だが最後まで飽きさせない映画としてもなかなかの佳作であるとは感じる。ただ、最後まで何かがひっかかる。同じズウィック監督の『ラストサムライ』がそうだったように、「エンタメ」として成立させるために、相当に単純化されたであろうシエラレオネ内戦(とくにRUF)の描写には注意が必要な気がする。いくら植民地の歴史や多国籍企業の暗躍や政府・軍の腐敗を描いても、この映画のインパクトはそこではなく、図式的に描かれたRUF(あるいはアフリカ人の)残虐さであり、とりわけドラマティックに描かれた少年兵たちの姿であるように思える。この映画を見ることで知る「アフリカ」とは何だろう。『ラストサムライ』を見て日本を「知っている」と語る欧米人の滑稽さを知っている僕たちは、この映画が、娯楽映画の文法にきわめて忠実な作品であり、「アフリカ」はその文法に沿ってのみ描かれていることに気づくことができると思う。映画をみて、最後までつきまとっていた違和感の正体は、そんなことなのかと思いつつ、まだまだすっきりないというそんな気分である。たぶん、すっきりする必要もないと思うのだが。
【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-05-02 05:57:23)(良:3票)
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