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《ネタバレ》 噂通りの快作! 小松菜奈さんという女優の2018年現在の姿をきっちりと画面のなかに収めた、正しいアイドル映画であり、かつオヤジ目線のファンタジー炸裂の「美少女」映画であるのは間違いない。あと、少し引いた遠景と接写の使い方が絶妙。「雨」と「雨上がり」の対照的な風景、学校のなかを動きまわるカメラで小松さんを追う絵、ファミレスの裏口まわりの外からの絵、このあたりはテレビドラマではできない映画ならではの風景の美しさ、「学校」や「バイト先」が持つちょっとしたノスタルジーを見事に描いてる。引いた絵が続いた後に、グッと小松さんに寄るカメラ。見てるほうもドギマギしてしまう。それでも、この映画が単なるティーン向け量産型恋愛映画ではないことは、序盤に大泉洋の店長が小松菜奈の「若さ」を見つめる視線を見ればわかる。結局映画は最後まであの視線に同化したまま進んでいき、最後まで見たところで、この映画が描いていたのは女子高生の青春というよりも、まっすぐな「若さ」に対して、かつて若者であった「大人」はどうあるべきかを描く作品であったことがよくわかる。若者ぶるのでもなく、相手の言うことをただ聞くだけでもなく、自分の思う若者像を相手に勝手に期待するわけでもなく、そして自分の「古い」価値観をただ押しつけるのでもなく、若者と関わるとはどういうことかということを、大泉洋演じる店長はさりげなく見せてくれる。ノスタルジックに「美少女」に期待して見ていたら、「大人」としての自分のあり方をグッと突きつけられる、いい作品でした。
【ころりさん】さん [インターネット(邦画)] 8点(2020-04-29 09:26:19)
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