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《ネタバレ》 上流階級が享楽のために下層階級の人間を競わせ殺人ゲームを行わせるというストーリーは、今まで色々な作品が描いてきたストーリーだ。
個人的にはそういう物語は嫌いじゃない。でもそれは、そういう作品が皆最終的には傲慢なトップの連中に鉄槌を下す展開だからだ。 鉄槌を下せないとしても相打ちに持ち込むぐらいの流れは必要だ。もしくは正義が勝ったと思わせ、ラストにどんでん返しで「でもそう上手くはいきませんでした」という含みを持たせる形でもいい。 しかし、この作品にはその部分がゴッソリ抜け落ちている。 物語を見始め、この主人公ではこのシステムを破壊するのは無理と直ぐに分かる。ならばこの現状に不満を持ち、主人公に力を貸すある程度権力を有した者が必要になるのだが、そういう人物が全く出てこない。 味方は存在するが完全にシステムに飲み込まれていて社会を変えようという意思は無い。このように、ただただ殺人ゲームを見せられるだけでは見ている者の溜飲を下げられず、満足感を与えることは不可能だろう。 もしかすると第二部を作り、それ以降でこの不条理なシステムを変えようとする主人公を出していく狙いがあるのかもしれないが、それは間違いだ。 連作を計画しているとしても、とにかく1作目では何かしらの決着を付けるべきなのだ。 【へろへろ】さん [ブルーレイ(吹替)] 5点(2013-02-11 14:22:05)(良:4票)
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