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《ネタバレ》 オープニングの序文は、果たして必要なものだったのか?
この映画のストーリーはフランスで実際に起きていた処女売買を描いたものであり…という一節から始まって、およそ3,4画面分はあろうかという程のかなり熱の入った文章がまず先に出て来たのですが、ここまで仰々しくそんな序文を見せられると、巧妙な犯罪の手口と、その一味をどのように警察側が追跡するのかといった事を描いた映画なんだろうなという先入観を持たされてしまうのですが、実際はというと、主役悪役問わず、登場人物それぞれにスポットを当てて人物描写に徹していたりと、凡百のフィルムノワールとさほど変わらない映画になってしまっているのが凄く残念だったと思います。 あれだけの序文を先に出すのだったら、悪役の人物描写を控えて被害者や警察側からの描写に重点を置くべきだし、若しくは、犯罪一味の親玉と子分との信頼や裏切りなどが普通のフィルムノワールのように上手く描かれているので、ストーリーはそのままにしておいて、序文をなくせばこれもまた良い映画になると思います。 それはさておき、この映画のストーリーは犯罪が起きた一夜のみで構成されているため、つまり全編を通して夜のシーンしか出てこない。モノクロで夜のシーンを撮るのはなかなか難しいと思われるのですが、これが見事にその課題をクリアしてしまっていて、非常に見応えのある作品になっていると思います。 ストーリー的には、主役の女ベアトリスには彼氏がいるにもかかわらずパーティーに行こうとするところや、同性でありながら女主人が若い女たちを売ろうとしていたりするのが自分の常識を越えていて、やや理解に苦しむところがありました。 また、映画の至る所で出てくる格闘シーンやラストの銃撃戦は、やはり緊迫した雰囲気が常に画面から出ていて、特にラストでのボスを打ちのめすシーンは両者とも本当に怪我をしてしまっているんじゃないかというくらいの壮絶なバトルで、見終わったときには爽快感すら感じてしまう程です。 映画全体のサスペンスストーリーも良いですしアクションの撮り方も上手いのですが、意外とこの監督の名が知れ渡っていないのはもったいないですね。他の作品も是非観てみたいです。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-10-16 02:09:14)
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