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いまだにこういう映画を作ってる人たちもいるんだな~ってしみじみしてしまいました。低脳の極致を行くこの映画は80年代にスタローンやシュワルツェネッガーが出まくってたのと同じにおいがします。敵を殺しまくり、悪い国を成敗しまくって最後に主人公が生き残るこのパターン。アクション映画好きな私はこういうノリも大好きだったんですが、今の時代にいきなりこういうのが現れても素直には盛り上がれない、時代は変わったんだなと実感しました。単純な勧善懲悪を「痛快」の一言で片付けられる時代でもなくなってるんですね。例えばテロリストを殺すためなら当然のように他国を領空侵犯し、ミサイル攻撃してビルひとつを崩壊させる。こんな行為が英雄的に描かれ、「巻き添えは出ませんでした。成功です。やったー!」と手をたたいて喜んでる場面。思えばトップガンのクライマックスも領空侵犯して他国と非公式に交戦するという似たようなものでしたが、80年代には素直に盛り上がれたこの展開も、今の時代に見せられては素直に興奮できなくなってしまっています。「いくら悪いやつがいるからって、よその国を勝手に攻撃しちゃいけないよ」という感覚が常識となっているためですが、一方この映画を製作した人たちは、世間の人たちがこんな単純な話に素直に盛り上がると本気で思ったのでしょうか?これを製作したのはソニーピクチャーズという会社ですが、ソニーが製作する娯楽作はスパイダーマン以外ロクなのがありません。バーティカル・リミット、SWAT、ティアーズ・オブ・ザ・サン、バッドボーイズ2、アンダーワールド、パニッシャー・・・爆破さえ見せてれば盛り上がると勘違いした映画に大金を投入し続けているようです。エアフォース・ワンが思った以上に稼いでくれた97年以来、方針がまったく変わっていないような気がします。もうちょっとよく考えて映画作りましょうね。
【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 5点(2006-10-21 19:06:17)
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