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《ネタバレ》 テレビドラマ(未見)をわざわざ映画化したのだからそもそも優れた企画なのだろうし、その脚色にはジェイソン・ボーンシリーズのトニー・ギルロイが雇われているという布陣も豪華であり、きちんと見られる作品には仕上がっています。ただし、水準以上の作品にはなりきれていないという点が残念でした。全体的な出来は悪くないものの、フックとなるような強烈な場面を作れなかったことが、不完全燃焼の原因だろうと思います。。。
【注意!ここから大きくネタバレします】そうなる可能性のある場面はありました。それは、コリンズ議員が殺人事件に関係していたことを知った後の主人公の反応であり、コリンズが悪に染まっていたことは事実であるが、それを記事にすればコリンズは失脚し、民間セキュリティ会社という巨悪を封じ込めるための急先鋒を失ってしまう。目先の事実を暴くことと、より大きな目的のために事実を隠すことと、どちらが公共の利益にかなうのか?そのジレンマを描き、「あなたならどうしますか?」と観客に問うような内容にしていれば、相当に引き締まった作品になったと思うのですが、残念ながら本作はその美味しいところを完全に素通りします。主人公は「ならぬものはならぬのです!」と言わんばかりにコリンズ議員の裏事情を記事にし、一切の躊躇がありません。さらには、コリンズの記事によって、理由はよく分からないが民間セキュリティ会社までが大打撃を受けるという、安直なハッピーエンドにはゲンナリさせられました。薄っぺらな正義感からコリンズを倒したことで、巨悪がのさばってしまうというバッドエンドにした方が面白かったと思うのですが。。。 上記に関連して、全編を通しての主人公の「これがジャーナリズムだ!」と言わんばかりの態度には、少なからずうんざりさせられました。証拠を握ってもそれを警察に渡さず、新たな犠牲者を出してしまう。いちジャーナリストでありながら、取材対象に脅しをかけてまで事実を聞き出そうとする。さらには、情報源からの承諾もないのに、自己の裁量のみで関連当事者に取材内容を漏らしてしまう。自分を正義の執行者か何かだと勘違いした態度は本当にどうかしてると思ったし、これら一連の行動を「善」として扱っている作品の倫理観についても、ちょっと受け入れがたいものがありました。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 5点(2014-03-01 02:08:28)(良:2票)
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