セントアンナの奇跡 の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想

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セントアンナの奇跡 の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 セントアンナの奇跡
製作国,
上映時間163分
劇場公開日 2009-07-25
ジャンルドラマ,サスペンス,戦争もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 郵便局の窓口係が、切手を買いに来た客を突然撃ち殺す。インパクトがあり、本編を見たくて仕方がなくなる素晴らしいイントロ、これは傑作に違いないと思いました。。。
そんな期待とは裏腹に、本編はかなりガッカリな内容でした。前半は山田洋二が撮りそうな人情喜劇で、「イタリア=のんびり」というアメリカ人のイメージをモロに反映したステレオタイプな描写が続きます。話の展開は非常にゆっくり、戦争映画を観るつもりで来た観客にとっては拷問に近いペースでチンタラと話が進んでいきます。
一転して後半はシリアスモードに突入するのですが、ここからはアメリカ人特有の思考に基づいたやりたい放題がはじまるので、観ていて腹立たしくなりました。本作の要となる「セントアンナの大虐殺」です。無抵抗の市民560人が犠牲になったセントアンナの悲劇は一応史実ということにはなっているのですが、いわゆる南京大虐殺という冤罪を背負わされている我々日本人としては、この手の虐殺ネタはどうも胡散臭く感じます。敗戦国を貶めるためのウソ・捏造・拡大解釈のいずれかではないかと。そんなデリケートな事件をスパイク・リーがどう料理するのかには関心があったのですが、これがあまりにベタベタな描写でガッカリしました。無抵抗の一般市民を機関銃で虐殺し、死体をガソリンで焼く。ご丁寧に赤ん坊を銃剣で突くという描写までがあるのですが、”第二次世界大戦当時の残虐行為”の絵面としてはあまりにもありきたりです。その結果、監督は史実をきちんと調べず「恐らくこんな感じだったはず」というイメージだけで撮っていることが丸出しとなっています。常に正義のアメリカ国民にはわからないかもしれませんが、こういう歴史映画で悪役にされると、その当事国の国民は傷つきます。だから、せめて歴史的事実くらいはきちんと調べてから映画を撮るということをいい加減覚えて欲しいものです。。。
そして映画は呆気にとられるラストへ。殺人犯となった主人公の裁判がはじまるのですが、金と権力と脅しによってこの殺人犯は保釈され、アメリカの司法の及ばない海外へと逃亡します。そこで、命を救ったかつての少年と再会してめでたしめでたし、、、って、これのどこが感動作なんですか。個人による処刑を認め、法を捻じ曲げることがハッピーエンドだなんて、私は受け入れられませんでした。性根が腐ってますよ、この映画は。
ザ・チャンバラさん [DVD(吹替)] 3点(2012-05-08 01:44:59)
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投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。5レビュー5.60点
2018-07-17オールウェイズ4レビュー6.46点
2018-07-09黒い家(1999)7レビュー4.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー4レビュー7.43点
2018-07-04復讐するは我にあり7レビュー6.67点
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2018-06-26スイッチバック4レビュー6.00点
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2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ26レビュー6.23点
2018-06-18危険な情事7レビュー6.47点
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