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《ネタバレ》 私は「仕事とは、食べるために仕方なくやるもの」という考え方の人間なので仕事一筋の登場人物達には誰一人共感できなかったのですが、それでも映画は楽しめました。この監督さん、とにかく映画の撮り方がうまい。終始テンポがよく、全妙なタイミングでイベントを入れてくる。暖かい人情ドラマに見せかけておいて、物凄く後味の悪いオチをドカっとかましてくる。ストーリーテリングの腕前は一流だと思います。。。
このドラマの流れであれば、主人公は愛する恋人と結ばれてめでたしめでたしのはずですよ。しかし、この映画はどこまでも現実的。「家庭を持つなんてくだらない。自分は仕事に生きるんだ」と決めつけた人間は、往々にして普通の人生には戻れないものです。プライベートを充実させることの重要性に気付いた時には、すでに手遅れになっていることが多いのです。この映画もそんな現実を踏襲し、主人公を幸せにはしてくれません。彼もまた、気づくのが遅すぎたのです。仕事と添い遂げる人生に絶望した主人公の後ろ姿でThe Endという気の重くなるラスト、コメディ仕立ての人情ドラマでこのオチをかましてくるというコントラストの付け方はうますぎます。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-06-13 00:35:44)(良:2票)
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