アンストッパブル の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > アンストッパブル
 > ザ・チャンバラさんのレビュー
アンストッパブル の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アンストッパブル
製作国
上映時間99分
劇場公開日 2011-01-07
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,パニックもの,実話もの
レビュー情報
味付けについて自由度の高いラーメンには名店も多くありますが、例えばそうめんで客を唸らせる味を作ってみろと言われれば、これはとんでもない難題です。映画の世界でそんな難題に挑み、奇跡的に満足できる商品を作ってしまったのが本作。しばしば「スピード」との類似点が指摘されますが、テロリストとの駆け引きがあり、さまざまなトラップや見せ場を準備することができた「スピード」と比較すると、無人で暴走する列車を止めるだけというシンプルな本作は遥かに難儀な代物だったと思います。シンプルだからこそ監督の手腕がモロに問われ、逃げも隠れもできない素材。私はロン・ハワードのような堅実なタイプの監督に任せるべきで、ビジュアルばかりが先行するトニー・スコットは適任ではないと思っていました。が、観終わればそれは大きな間違いだったことに気付かされます。スコットは驚異的な演出力を披露し、難儀な企画を燃える傑作に変えてしまっているのです。いつものビジュアルセンスはもちろん健在で、他の監督が撮っていれば単調になったであろう本作の見せ場も、スコットの手腕によってかっこいい場面の連続に。列車を追うヘリやありえない台数のパトカーの並走など、乗り物を撮らせるとスコットは相変わらず良い仕事をします。クライマックスに向けて計ったように盛り上がっていくテンポ作りも見事で、どんどんエスカレートしていく物語には手に汗握りっぱなしなのでした。そして、今回のスコットが凄いのはここから。見せ場とドラマのバランスがほぼパーフェクトであり、神がかった職人芸を見ることができます。本作のメインはもちろんアクションでありドラマは添え物という扱いなのですが、映画のテンポを邪魔することなくアクションの高揚感に貢献させるという、アクション映画にあるべきドラマ作りが完璧になされています。ドラマを挿入するタイミングやその分量が本当に絶妙で、スコット兄やスピルバーグですらここまで巧くはできないでしょう。30年ものキャリアにおいてひたすらアクション映画を撮り続け、主要な映画賞へのノミネート経験が一度もないというアクションバカがついに辿り着いた究極の作品。それが本作なのです。。。強いて苦言を言うならば、カタカナにすると語感の悪いこの邦題、作品の趣旨から外れたヘタレな宣伝文句は何とかならなかったのでしょうか。
ザ・チャンバラさん [映画館(字幕)] 9点(2011-01-16 23:31:49)(良:1票)
ザ・チャンバラ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。5レビュー5.60点
2018-07-17オールウェイズ4レビュー6.46点
2018-07-09黒い家(1999)7レビュー4.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー4レビュー7.43点
2018-07-04復讐するは我にあり7レビュー6.67点
2018-06-26愛と死の間で3レビュー4.85点
2018-06-26スイッチバック4レビュー6.00点
2018-06-22ゴースト/ニューヨークの幻8レビュー7.02点
2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ26レビュー6.23点
2018-06-18危険な情事7レビュー6.47点
アンストッパブルのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS