ザ・レッジ -12時の死刑台- の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想

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ザ・レッジ -12時の死刑台- の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ザ・レッジ -12時の死刑台-
製作国
上映時間101分
ジャンルサスペンス
レビュー情報
《ネタバレ》 「リブ・タイラーが脱ぐ!」という煽りのみに釣られてDVDをレンタルし、ロクな予備知識もなく鑑賞したのですが、これが正解でした。ソリッドシチュエーションスリラーの体裁をとりながらも、実はスリラーを意図して作られていない本作。DVDジャケットから受ける印象を期待して観ると確実に裏切られるのですが、その一方で本筋の内容はなかなか深淵なものであり、配給会社によるヘタな宣伝に惑わされなければ、きちんと楽しめる作品となっています。。。
脚本・監督を担当したのは、サスペンスドラマの佳作『ニューオーリンズ・トライアル』で知られるマシュー・チャップマン。本作においても『ニューオーリンズ~』同様の抜群の構成力を披露しています。何の前フリもなくいきなり事件が発生し、その後の回想により薄皮を剥がすように登場人物達の素性や事件の背景が明らかになっていく前半部分は圧倒的な面白さに包まれているし、一見すると無関係に思えるテーマとシチュエーションを見事に一致させた構成力にも恐れ入りました。ドラマパートの出来も上々であり、リブ・タイラーに15年ぶりのヌードを決意させただけの脚本力は確かに実感できました。。。
問題に感じたのは、本作が投げかける難問について、監督自身が答えを出してしまっているという点。アメリカの銃社会を批判し、それに対して脱法行為をとる市民運動家をヒーローとして描いた『ニューオーリンズ~』を見れば分かる通り、チャップマンはバリバリのリベラル。そんなチャップマンは、信仰の不寛容を描いた本作においてはキリスト教原理主義をかなり厳しく批判しており、最終的には「信仰を捨てましょう」という結論に至ってしまっているのですが、本作の主張は観客に対する問題提起に留めておくべきでした。なぜなら、信仰が持つ良い部分を無視し、形式主義的で不寛容な部分だけを論って「信仰とは害悪である」と断罪する行為こそが、まさに不寛容そのものだったからです。言ってることとやってることに矛盾が生じてしまっているという市民活動家的な弱さがドバっと出てしまったラストによって、映画は説得力を失ってしまいました。
ザ・チャンバラさん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-24 00:59:17)(良:1票)
ザ・チャンバラ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。5レビュー5.58点
2018-07-17オールウェイズ4レビュー6.46点
2018-07-09黒い家(1999)7レビュー4.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー4レビュー7.39点
2018-07-04復讐するは我にあり7レビュー6.67点
2018-06-26愛と死の間で3レビュー4.85点
2018-06-26スイッチバック4レビュー6.00点
2018-06-22ゴースト/ニューヨークの幻8レビュー7.02点
2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ26レビュー6.23点
2018-06-18危険な情事7レビュー6.47点
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