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まず感じたのが、えらく間口の狭い映画だなということです。再起をかける主人公の姿を通して多くの中高年男性が共感できる作品にでもしているのかと思いきや、あくまで芸能人の内幕ものに徹していて、一般人ではほとんど感じるもののない作品となっています。また、スターの実名を挙げてのハリウッドあるあるネタが多いのですが、果たしてこれが10年後20年後の観客に伝わるのかは疑問だし、そもそもこの映画全体が、マイケル・キートンのキャリアを知らなければ楽しめない内容となっています。そう考えると、本作を楽しめる客層は極めて限定されているのです。
一般人の視点を排除して業界人向けを徹底した結果、内輪での評判は上々でオスカーまで受賞した作品ですが、その賞味期限は極めて短いと思います。面白かったのは、エドワード・ノートンのネジの飛んだ暴れっぷりくらいで、目玉であった全編ワンカット(に見せる技術)すら、主題に貢献しているとは言い難い状況。『21グラム』『バベル』でも感じたのですが、この監督の作品には高尚な雰囲気こそあるものの、作り手が意図したほどのドラマ性は感じられず、この監督の作品とはことごとく相性が悪いようです。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 5点(2015-09-25 18:40:26)
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