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《ネタバレ》 前作『エリート・スクワッド』がえらい面白さだったので、勢いで続編の本作も鑑賞しました。前作はBOPEとギャングとの死闘が描かれましたが、本作ではその後に待っていたより過酷な戦いが描かれており、前作に輪をかけて重厚な社会派作品となっています。
前作では悩み苦しんでいたナシメント中佐は離婚により吹っ切れたのか、引き続きBOPEでバリバリやってます。マチアスは立派な殺人マシーンに成長し、予算と人員の増強でBOPEはさらに力を強め、彼らはもはやギャングを圧倒するほどの存在となっています。綺麗ごとを並べ立てる左翼政治家からの批判も何のその、街のゴミ掃除に日々勤しむBOPEですが、問題はその後でした。ギャング不在となった街では汚職警官達が新たな支配者となってやりたい放題、さらにはその汚職警官を巨大な集票マシーンとして利用する政治家が現れます。相手がギャングならば法を盾に対峙することができるのですが、相手が警官や政治家では戦いようがなく、ここでナシメントはBOPEのやり方には限界があることを思い知らされます。 まぁめちゃくちゃな話なのですが、監督のインタビューを読むと本作で描かれる内容はリオで現実に起こっていることをベースにしているらしく、どんだけヤバイんだ!RIO!(AV女優の方じゃないよ)と地球の裏側からとても心配になってしまいました。ジョゼ・パジーリャ監督が後に手掛けたテレビドラマ『ナルコス』においても(こちらはコロンビアの話ですが)表の権力と闇社会の距離が異常に近く、南米の闇は想像を絶するほど深いことに驚かされます。 ただし、BOPEの大暴れに拍手喝采したくなるようなカタルシスは本作にはなく、娯楽性では前作に劣っています。前作で特に私が気に入った犯罪者にビニール袋を被せての窒息拷問は本作では一回しか登場せず、バイオレンスが不足しているために多少の不完全燃焼感は残りました。そもそも、本作ではBOPEは重く扱われておらず、アクション大作を期待させる邦題は、看板に偽りありと言えます。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-23 17:35:06)
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