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レビュー情報
アクションはなかなか見ごたえがあります。ジェット・リーの個性を殺してしまっていたジョエル・シルバー作品と比較すると、ベッソンの方がマーシャルアーツの扱いは上。小柄なリーがデカイ白人をぶちのめす大興奮のアクションなど、カンフー映画に求められているものをよく分かっているなぁと感心しました。しかし、お話があまりにボロボロで映画としての体をなしていません。殺人を隠蔽することが事の発端だったのに、高級ホテルでマシンガンを乱射するわ、観光船で大捕りものをやるわとやりたい放題。仮に殺人の隠蔽には成功しても、別の件で大問題になるだろと呆れてしまいます。あくまでカンフーを見せるための映画なので緻密な設定である必要はないものの、見ている者に疑問を抱かせない程度の作りにはしておくべきです。また、チェッキー・カリョ扮するリチャードと、ブリジット・フォンダ扮するジェシカの関係も理解不能。自分の彼女を娼婦にするなんて金目的のヒモがやることなのですが、大臣に接触するほどのエリート刑事であるリチャードが、娘を人質にとり、ジェシカをヤク漬けにしてまで彼女に客をとらせている理由がよくわかりません。思いついた設定を適当に繋げただけなのか、何もかもがメチャクチャなのです。さらに、脚本がメチャクチャな一方で役者がしっかりしているせいで、ジェシカが暴力をふるわれたり暴言を吐かれたりする場面が妙に生々しく、見ていてかなり不快になりました。。。「フィフス・エレメント」の資金を調達するために即興で作った「レオン」が思いのほか好評だったためか、ベッソンはアクション映画について誤った認識を持ったようです。アクションを見ている人間はストーリーなど気にしていないから、強引な設定でも特に問題なし。そこにメロドラマをトッピングすれば観客は大喜び。実際、本作以降もベッソンはお手軽な人情アクションを続々とプロデュースしていきます。ベッソン、目を覚ましてくれ。
【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 3点(2010-09-23 23:45:44)(良:1票)
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