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レビュー情報
《ネタバレ》 シリーズが3本も作られ、テレビシリーズ化までされた作品だけあって、ブレイドのキャラが魅力的です。日本刀を振り回し、もう片方の手では銃を乱射、黒コートにサングラスの出で立ちでカンフーを決めるという、男子の憧れの結晶のような素敵なキャラクター。彼が登場するナイトクラブの乱闘は、その素晴らしすぎる武装とアクションに大興奮でした。そのかっこよさは「リローデッド」のモーフィアス、「アンダーワールド」のセリーン、「リベリオン」のクラリック達に受け継がれましたが、やはり最高なのはブレイドです。このキャラはウェズリー・スナイプスが演じたことが最大の強みで、この人はベルリン映画祭主演男優賞受賞者にしてマーシャルアーツの達人(12歳ではじめ、空手は5段の腕前)、動ける役者がアクションをやったことで、後続のキャラ達にはない凄味や説得力があります。また、まるでマフィアのようなバンパイア社会の作りこみも面白く(「アンダーワールド」に丸パクリされましたが)、バンパイアは何百年間も人間社会を裏で牛耳っており、警察権力も掌握しているため人を殺しても事件にならないという設定には、「我々が知らないだけで、この社会の裏側ではバンパイアとブレイドが戦っている」という他のアメコミ作品とは違った感覚があって新鮮です。ブレイドは社会から外れた無法者であり、警官に暴力行為を働くは、襲ったバンパイアから「活動資金がいる」と言って金品を奪い取る(ヒーローものに付きまとう活動資金の謎をうまくクリアー)はのやりたい放題。こうしたブラックな面も魅力的なのです。。。と、見るべきところは多いものの、お話の方がイマイチどころかイマニぐらいなのが残念。夜のシーンばかりでブレイドがデイウォーカーである設定がまったく活かされておらず、「ヴァンパイア最期の聖戦」のように、お休み中のバンパイアのアジトに襲撃をかけ、日光の下に引きずり出すという気の利いた展開があってもよかったように思います。またバンパイア社会にしても、チンピラを従えたフロストがいとも簡単に下克上できてしまうのでは、せっかくの設定が死んでしまいます。ブレイドと母親のエピソードはなくてもいいぐらいに印象に残らないし、フロストが血の神を蘇らせようとする動機は説明不足です。ついに蘇った血の神も意外と簡単に退治してしまい、計ったように尻すぼみに盛り下がって映画は終了してしまいました。
【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-09-21 19:43:01)
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