アンドリューNDR114 の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > アンドリューNDR114
 > ザ・チャンバラさんのレビュー
アンドリューNDR114 の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アンドリューNDR114
製作国
上映時間131分
劇場公開日 2000-05-13
ジャンルドラマ,SF,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 SFオンチの監督の手に渡ったのがお気の毒としか言いようのない作品。エスねこさんが詳しくレビューされていますが、本来これはほんまもんのSF作品。作り物が人間よりも人間らしくなった時、ホンモノとニセモノの境界はどこへ行くのか?というSF定番の問いかけを軸に、その境界の真っ只中に立たされるアンドリューの苦悩が感動的かつ哲学的に描かれる…はずの作品だったのですが、SFとしてはあまりに雑な仕上がりのためおいしいところはほとんどスルー、ロボットと人間が結婚して良いおじいちゃんとおばあちゃんになりましたという志の低い作品に終わっています。アンドリューと人間社会のつながりが本作最大のテーマと言えますが、肝心の社会風俗の描写があまりに杜撰なのです。彼らの世界ではロボットはどの程度普及しているのか(マーティン家は金持ちだったが、金持ちしか持てないものなのか?)、何の目的で家庭で使用されているのか(あのドン臭いデザインでは邪魔なだけにしか見えない)という極々基本の部分すらよくわからない状態。中盤より彼は自分で収入を得るようになりますが、どこが評価されて彼の商品が売れたのか、そしてあの世界でロボットが収入を得ることがどれほど例外的なことなのかがわかりません。勝手に進化をはじめたアンドリューに対する人々のリアクションも不自然で、彼が人間とタメ口を聞くようになろうが、マイホームを持ち服を着るようになろうが、金属からロビン・ウィリアムズの顔に変わろうが「あぁそうなんだ」程度で普通に受け入れられてしまうのは、作品のテーマとそぐわないのでは?人間になろうとするアンドリューと、その進化についていけない人間社会との軋轢こそが本作の主題だったはずなのに、200年があまりに順調すぎたと思います。ロボットとの愛情を育むこととなるポーシャにまるで葛藤がないのも不自然。ロボットと愛し合い、おまけにセックスまでするという人類史上誰も経験のないことをやってしまう女性なのに、普通の結婚とさして変わりのない様子。社会もふたりの結婚を素直に認めちゃってるし。どうしてここまでSF要素を切り取ってしまったのかと、不思議で仕方ありません。
ザ・チャンバラさん [DVD(吹替)] 4点(2008-10-06 01:17:45)(良:3票)
ザ・チャンバラ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。5レビュー5.58点
2018-07-17オールウェイズ4レビュー6.46点
2018-07-09黒い家(1999)7レビュー4.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー4レビュー7.39点
2018-07-04復讐するは我にあり7レビュー6.67点
2018-06-26愛と死の間で3レビュー4.85点
2018-06-26スイッチバック4レビュー6.00点
2018-06-22ゴースト/ニューヨークの幻8レビュー7.02点
2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ26レビュー6.23点
2018-06-18危険な情事7レビュー6.47点
アンドリューNDR114のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS