スチームボーイ STEAM BOY の はなぶさ さんのクチコミ・感想

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スチームボーイ STEAM BOY の はなぶさ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 スチームボーイ STEAM BOY
製作国
上映時間126分
劇場公開日 2004-07-17
ジャンルアクション,SF,アドベンチャー,アニメ
レビュー情報
《ネタバレ》  映像の素晴らしさは筆舌に尽くしがたいほど素晴らしく感動させられた。しかし、物語やキャラクター設定に多くの問題をきたしているし、テーマがはっきりとは見えてこないなど、日本のアニメとは思えない出来で、がっかりさせられる。

 美しいCGを観るために、僕たちは映画館に足を運んでいる訳ではないはずだ。僕たちは美しいCGがあることは、当たり前なのであって、それでなおかつキャラクターが魅力的であって、物語が起伏に富んで面白い映画を観に来る。ことに、本作のように、娯楽映画を狙った作品なら、当然やっていなければならないことであろう。

 日本のアニメないし漫画は、そうした点では素晴らしいものが枚挙にいとまがないほどに存在する。まじめにサブカルチャーを語る連中からは敬遠されがちな『ドラゴンボール』という漫画も、キャラの設定はなかなかのものであって、僕らは具体的なキャラクターに対して、想いを寄せることができる。いわゆる「萌え」ることができるのだ。日本の漫画はそうした点に大変長けている。オタクくさい漫画であればあるだけ、そうした点に長けている。『ガンダム』というアニメも、いかにもオタクくさいが、人目見て「萌え」られそうなキャラクターがわんさかいる。そうした、キャラに萌えることができる、客の心理をアニメを売ろうとする人々がちゃんと分かっているのだ。特に本作のように20億円もの資金を投じたというような作品なら、キャラの魅力について考えて当然である。だが、していない。これでは、いくらCGに金をかけたって、観客が満足する訳がない。企画の段階で疑問に思わなければならないはずだ。

 多くのレビュアーがそう思うように、『スチームボーイ』は宮崎駿の『天空の城ラピュタ』に似ている。だが、当然似て非なるものである。それは物語にしてもそうだし、キャラクターの設定にしてもそうだ。『ラピュタ』では、パズーなりヒロインであるシータなり、あるいは空賊のボスであるドーラというおばさんでさえも、どんな人物か説明がなされていた。そうでなければ観客は映画にハマれないからである。しかし、『スチームボーイ』は、題材は『ラピュタ』に似ていても、肝心なところで、パクろうとしていない。CGだけは『ラピュタ』を遥かにしのぐが、それだけである。結局、「スチームボール」は、「飛行石」にはなりえなかった、ということであろうか。残念である。
はなぶささん [DVD(字幕)] 6点(2005-11-20 23:49:19)
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投稿日付邦題コメント平均点
2009-09-1320世紀少年5レビュー5.04点
2007-02-25武士の一分7レビュー5.99点
2006-09-03宇宙戦争(2005)5レビュー5.89点
2006-08-29ババァゾーン0レビュー2.87点
2006-08-13コラテラル4レビュー6.11点
2006-02-02バットマン ビギンズ7レビュー6.73点
2006-02-02電車男8レビュー5.87点
2006-02-01オリバー・ツイスト(2005)4レビュー5.55点
2005-11-21オールド・ボーイ(2003)6レビュー7.03点
2005-11-20スチームボーイ STEAM BOY6レビュー4.99点
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