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《ネタバレ》 ヴィム・ヴェンダースさんという人は本当にドイツ人なの?観終わった後に脳裏に過ぎった感想のひとつです。和の心を知っていると言うか知り尽くしている。小津監督への長年にわたるリスペクトの結晶とでも言いましょうか、少々煮え切らなさを感じないことはないまでも非常に居心地の良い作品でした。
主人公演じる役所さんの表情や仕草による演技は素晴らしかったです。台詞に頼らない存在感。清掃会社の担当者への苦情以外にはストレートに感情的な台詞はないに等しい。にも関らず全編通じて語り続ける。流石です。 主人公の背景、生い立ち、過去といったものは殆ど語られない。それなのに日々のエピソードを通じて少しづつ明らかになっていく素顔。実際にはストレートに明らかになることはないのですが、観客がそれぞれの主観をもって想像するに足る材料を投げかけてくれています。私も自分なりに解釈し、反芻し、疑問と納得がないまぜになりながらも満足して観終えることが出来ました。 終始具体的な説明なしの寡黙な作品は多々ありますが、本作は寡黙ながらも大いに語りかけてくれる秀逸な作品でした。これまでどう生きて来たか?そしてこれからどう生きて行くか?今のままがいいのか?答えなんかありませんね。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(邦画)] 9点(2024-12-28 16:17:09)《新規》
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