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《ネタバレ》 冒頭の風景、歩き続ける男、赤い衣装に身を包み線路に横たわる女。なんだかノスタルジックな気分になります。60年代、70年代、あるいは80年代の青春映画を彷彿とさせるような。テーマ的にもあの頃の作品にあったような若者の行き場のない心の在りようを描いているのかなと思えます。
彼女自身の意識を具現化したかのような住まい(廃ビルの不法占拠?)は冷たさの中に暖かさが同居しているかのような不思議な空間。このデザインは奇を衒っているかのようでいてその実意外なほどナチュラルでしっくり来ました。 時とともに移ろいで行く二人の関係性が良いですね。決して男女の関係ではなく、かと言って人間としての深い結びつきとも違う様な、不安定なのに深まって行く。与えるでもないのに互いに得ている。ひとつの理想形とも思えるような。 そしてキャスティング。主演の二人はきっちり役に嵌っていて違和感なく作品世界に引き込んでくれますが、個人的には最後に登場する大竹しのぶさんが只管印象的でした。いつもながらの変幻自在ぶり。短い登場時間をものともしない存在感。物語を見事に締めてくれてますね。 テーマ自体は決してストレートではないものの、観終わってみれば極めてシンプル。若干長すぎたきらいは否めないものの、良質な青春ドラマに7点献上します。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-12-02 18:26:27)
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