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《ネタバレ》 一人でも多くの日本人に観て欲しい作品。明日は我が身とはよく言ったもんですが、それだけではなく、近い将来始まる裁判員制度の為にも観るべき映画。裁判官によって判断が変わることや、無罪判決の持つ意味や裁判所の内情もわかり易く描いてます。そしてこの映画を一方的な角度からではなく、冷静に判断して欲しいと思います。この映画は主人公が「やってない」という前提で語られています。何故ならば、わたしたちは所謂「神様」の立場で主人公の内面が語られているのを見てるから。しかし本当に裁判員に選ばれたとしたら、わたしたちは客観的に判断しなくてはなりません。どちらが勘違いや嘘を言っているのかを見極め、どこまで情に流されず真摯に受け止められるのか、そして最初の裁判官のように、冷静に疑問点や矛盾点などを突くことができるのか?裁判官ですら間違いを犯すというのに、果たして本当に間違いない判断を下せるのか?本当に考えさせられます。キャストも皆はまり役ですが、中でも正名僕蔵さん演じる裁判官は本物にしか思えない、素晴らしい演技。他にも細やかな描写も違和感なく描かれており、監督が時間を掛けて調べたというだけのことはあります。例えば、裁判を少しでも有利にするために友人がたくさん人を連れてきたところで、主人公が違和感を持たないでスルーなどしていたら台無しでした。この立場ならこう思うだろう、ということをきちんとやってくれました。時間の長さは気になりませんでした。完成度の高い映画です。
【チャコ】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-01-31 11:43:41)
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