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《ネタバレ》 この映画が撮られた時代には離婚することは許されないという法律がイタリアではあったらしい。これはそんな当時の国の規則の中で、奥さんがいながらも別の女、それもかなり歳の離れた若い娘のような女性を愛してしまった男の哀しさ、空しさを描いた映画である。何とかしてあの女と一緒になりたいが、良い方法はないものか?と思いついた手段が配偶者に娘と姉に妹のうちの誰かが負貞という理由により相手を殺害すれば刑が軽くなるという法律を思いついてすぐさま実行しようとする男を演じているマルチェロ・マストロヤンニのマヌケさ、情けない男の考える一つ一つの行動が同じ男からしてみたらアホだけど、解らなくもないので憎めないのである。憎めない男の弱さを演じてもちっとも違和感なく、むしろ、愛嬌さえ覚えてしまうこの俳優の魅力がここでも描かれている。コメディではあるが、笑える場面はほとんど無いが、俳優の演技を見ているだけでも見て損はない作品になっている。そして、何よりもマルチェロ・マストロヤンニがイタリアでは最高の俳優である。最も尊敬されていると解る場面が出てくる。家族みんなで映画を観に行くという週間がイタリア映画を観ていると、毎度ながら感じるのだが、この映画の中でマルチェロ・マストロヤンニ主演の「甘い生活」が上映されている場面、同じくイタリアを代表するフェデリコ・フェリーニ監督が同じイタリア人監督に尊敬されているというのも解るし、色んな意味でイタリア映画的な感じのする作品でもある。
【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-04 19:42:10)
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