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《ネタバレ》 頭の良い人ほど何かに怯え、自分というものが解らなくなり、他人には理解出来ない行動をするものであるというのがこの映画の父親、兄貴を見ていると思わずにはいられなくなる。何だか一件、普通そうな家庭だけど、全く普通でない家族構成という所がこの映画の面白い所であるがタイトルからは想像できないとても幸せとは無縁の環境の元、普通の女子高校生らしくふるまう少女、中原佐和子の姿には学校で偶々、隣の席となったことから仲良くなり、やがては恋心を抱く相手の男、勉学とのやりとり、勉学の口調を真似して見せる姿やらその他にも何だかちょっしたことなのに、それが心地良く思えたり、時には切なく感じたり、色んな意味で青春映画的な楽しさとほろ苦さが感じられる作品にもなっているし、佐和子が勉学の死後に言う「なんで死にたいと思っている人が生きて、死にたいと思ってもいない人が死ぬの」みたいな台詞を聞いて、本当にそう思う。何とも心に突き刺さる言葉である。佐和子が勉学へあげるつもりでいたマフラーを弟へと手渡す勉学の母、ここで勉学の弟が勘太郎?貫太郎かな?(どっちにしてもかんたろうであることは確かである。)だということが明らかにされた瞬間、えっ?大浦勘太郎?勘太郎は星野だろうよ!て思ったのは私だけだろうか?最後の佐和子が歩く。歩く。そして、振り向く。また前を見て歩く。前を見て生きよう!というメッセージの象徴のような終わり方である。出来ればあのラストは音楽一切無しの方が私は良い。どうも近年の邦画の悪い癖、音楽で盛り上げようという狙いが見て取れて残念です。それでも見て良かったと思うし、話題性だけで内容の無い大ヒット作品では味わえない良さを感じられる点を評価しての8点に近い7点でことで、こういう作品こそもっとヒットして欲しい。
【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-06-15 22:07:49)
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