| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 ここ何年もの間、どれもこれも私には受け付けない映画きりアカデミー賞作品賞に選ばれている。大勢の人間が殺されたり、病死したり、凄い映像だけで中身スカスカの超大作ばかりを選ぶアカデミー賞にはうんざりさられぱなしである。果たして今回は?やっとまともに受け入れられる映画に出逢った。題材そのものは最近のアカデミー賞受賞作品の中では地味である。お金もかけていないであろう!しかし、映画は金さえかければ良いというものではない。素晴らしい脚本と素晴らしい役者達の演技が凌ぎをけずれば例え地味でも素晴らしい映画は撮れるというお手本のようにこの映画は脚本もしっかりしていれば役者の演技も素晴らしい。吃音に悩まされ、好きでもないのに国王にならざるを得ないジョージ6世を演じてるコリン・ファースとそれを支える素晴らしき妻を演じているヘレナ・ボナム=カーター、更にはジョージを励まし、応援し続けるローグ(ジェフリー・ラッシュ)の三人が演説の為の練習をする場面のちょっとした笑い、国王へとなったジョージのスピーチを緊張をほぐそうと眼の前で聞きながら優しく手伝うローグの姿に感動しました。感動したと言えば私が一番感動したのは妻のジョージからの二度のプロポーズを断った理由と受け入れた理由を話す場面、政治家の妻となることよりも吃音のことに対する言葉の美しさ、吃音というものを否定しない。それ所か全て受け入れて一緒になることを選んだ事の素晴らしさ、人は色んな人に支えられながら生きている。それを見事に描ききって見せたこの映画に作品賞を与えたことが私は本当に嬉しい。これからもこういう人間の持つ素晴らしさを描く作品、大人の映画に出逢えることを期待したい。
【青観】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-04-10 14:28:35)(良:2票)
青観 さんの 最近のクチコミ・感想
|