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これはタイトルにこそコメディとあるが、けして笑える映画ではないし、むしろ恐い映画である。何しろロバード・デニーロの演技が凄すぎる。どう考えてもパプキンという男は物凄く嫌な奴だし、普通ならこんな嫌な奴に感情移入など出来っこない。それなのにこの物凄く嫌な男に対して共感を覚えてしまうのは、ロバート・デニーロだからこそであって、ロバート・デニーロにしか出せない空気、この映画は自分が憧れを抱き過ぎた為についその憧れの人物になりすますという物語だが、この主人公の気持ちが私には解る。好きな人物に対しての憧れ、そうなってみたい。人間なら誰もが一度はそう思ったことがある筈です。そんな人間の本質というものを描いている所などいかにも人間社会の矛盾さ、やるせなさ、人間の心の中の闇を描かせたら現在のアメリカ映画界においてこの人の右に出る監督はいないのでは思えるマーティン・スコセッシ監督らしさを感じるし、作品自体は特別凄い作品だとは思わないものの夢と狂気の世界を両方描いているこのブラックな世界、マーティン・スコセッシ監督のセンスの良さが見て解る作品です。
【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-01-04 11:45:54)
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