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《ネタバレ》 青、青、青、まずは何と言っても青が印象に残る。壁の青や、部屋の中に眼を向ければ、そこにも青いものが見え隠れする。部屋の外から中へと立ち込む光の色、反射、出演者の中にも青を着ている者もいるし、何から何まで青、青、青です。その次は赤、この映画はまず何よりも色に対する拘りのようなものが凄く感じられる。まるで一種のアートのようである。確かに話としては特別に凄い面白さは感じられない。しかし、見ている間はそう思っても見終わった後には何か解らない不思議な魅力、ミステリー調な中にあるフランス映画的な香り、パリの空に殺しが絡んでくるその雰囲気、上手く言えないけど、私はこの映画はストーリーよりも雰囲気を楽しむ映画ではないかと思う。主人公の女性への憧れ、黒人のオペラ歌手への想いの強さ故にやってはいけないことをしてしまう気持ちも描かれているし、ラストのステージでのオペラ歌手の誰もいない所での歌声、カセットに収められた自分の歌声を聞く彼女を見ている少年、ここでもまた青が印象に残る。映し出されるテレビのモニター画面の色までもが青かったり、ステージの色の青だったり、この監督さんの色に対する拘りを見ているようです。
【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-02-09 21:15:26)
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