三人の妻への手紙 の 青観 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > サ行
 > 三人の妻への手紙
 > 青観さんのレビュー
三人の妻への手紙 の 青観 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 三人の妻への手紙
製作国
上映時間102分
劇場公開日 1950-05-09
ジャンルドラマ,コメディ,モノクロ映画,ミステリー
レビュー情報
《ネタバレ》 映画はシナリオ、どんな良い素材を揃えても上手く作れなければ美味しい料理が出来上がらないのと同じで映画が素晴らしいものになるかならないかの基本はまずは良いシナリオにかかっていると思う。そういう意味でこの映画は何よりも上手い。見事なまでのシナリオに尽きる。ある三人の妻が船に乗ってピクニックに出かける所から始まるこの映画、三人の妻が一緒にいる所へ一通の手紙が来る。そして、その手紙には「あなたたちのご主人のうちの一人と駆け落ちします。」というメッセージが書かれている。この手紙を書いた一人の女、アディという女の正体は誰なんだ?そして、一体、三人の妻のうち、どの妻の旦那がアディと駆け落ちするのか?という事をここで描き、それによって見る側の立場を見事に生かし、想像させるという何とも見事な画き方、脚本の上手さに感心させられる。三人のそれぞれの過去を回想形式で描きながらどんどんとこの三人と自分の夫との関係というもの、危機感を面白く見せる。そして、何よりも見ている私達に対しても本人も最も安全だと思っている女が一番危ない立場でいるという見事な構成、ヒッチコックの「レベッカ」と同じく姿を見せない女、アディの正体が解らないだけに余計、不安というものを隠す事が出来ないというのも上手いし、ラストの落ちも決まっていて、洒落た会話の中に男と女の強さと弱さのようなものまで全て見せてしまう。上手い。上手すぎる。それにしもてこれほどの傑作にたった二人しかコメントがないなんて、一人で多くの方に見て欲しい傑作ですし、これほどの傑作が僅か500円という安さでDVDとして売られているのを見ると安く手に入って嬉しい反面、500円分の価値しかないんじゃどうせつまらないだろうなんて思われたりするのかという事を考えてしまうと悲しくもなります。いずれにしてもこの映画の見事な脚本の前には今時のCGだらけの大音量のハリウッド大作がどれもこれも霞んで見えます。そのぐらいの素晴らしい傑作である。
青観さん [DVD(字幕)] 9点(2009-05-24 10:13:44)(良:1票)
青観 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-16君たちはどう生きるか(2023)0レビュー5.84点
2024-03-10ドラゴンボール 神龍の伝説6レビュー5.33点
2024-03-01アンダーグラウンド(1995)10レビュー7.43点
2024-02-20どうぶつ宝島8レビュー7.80点
2024-02-15シン・仮面ライダー0レビュー5.50点
2024-02-11かがみの孤城7レビュー7.53点
2024-02-10キングコング: 髑髏島の巨神8レビュー6.69点
2024-02-09シン・ウルトラマン0レビュー6.31点
2024-02-04ゴジラ キング・オブ・モンスターズ8レビュー6.35点
2024-02-02シン・ゴジラ0レビュー7.25点
三人の妻への手紙のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS