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野村芳太郎監督によるサスペンスものではあるが、サスペンス映画というよりはホラー映画に近い感じのする不気味さ、恐ろしさ、それは映像もさることながらあの音楽もやたら怖い。そして、何よりもあの少年の一つ一つの行動にしても本当に怖い。これは人間の追い詰められる瞬間というものを描いている。妻よりも幼馴染みであり、愛人でもある別の女とのやりとりを見ていないようで見ている子供からの二人への復讐のようなものがとにかく怖い。サスペンスものとしてはそれほどの出来じゃないと思うし、ラストもえっ?ここで終わり?てぐらいの終わり方だが、何しろ、一つ一つのシーンの怖いこと、怖いこと、完成度では明らかに「砂の器」に比べたら劣るし、その他の野村芳太郎監督作品のサスペンスものに比べても劣る。しかしながらこの監督らしい美しい映像も心に残る。最後の方の海辺のシーンは私も「砂の器」を思わずにはいられませんでした。それにしても岩下志麻のあの美しさ、ミニスカートからすらっと伸びた細い足、おまけに加藤剛とのセックスシーンで見せるあの悩ましい顔付き、喘ぎ声は忘れらなくなりそうなほど強烈な印象を残します。これを見せられたらそりゃあ、加藤剛じゃないけど、小川真由美より岩下志麻を選びたくなるのも解る気がする。
【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-10-10 22:26:25)
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