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《ネタバレ》 この寓話に多くの人の共感が得られたということは、実はみんな根はいい人なんだろうなと、単純な僕は見事にだまされてしまうわけです。イ・ジョンヒャンは巧みなストーリー・テラーでした。セリフが少ない映画で、しかも意図的な長回しのようなカットもそれほどありません。だから説教臭くない。単純ななエピソードを淡々と繋いでこれだけの説得力、すごい作品です。『美術館の隣の動物園』は語り口が巧すぎて、テクニシャンの印象ばかりが強く残ってしまいましたが、この映画は違いました。冒頭の、男の子がソウルから田舎に向かうバスに揺られる場面。最後の、感傷的な演出を抑えて、おばあちゃんが泰然とした足取りで家路につく場面。監督の罠は、始めから終わりまで鮮やかです。あなたもだまされてみて下さい。だまされた僕はとてもすがすがしい気分です。
【アクシス】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-26 22:51:10)
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